2020 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 最終戦 レースレポート

" 短くも多くの経験があった2020年シーズン "

レース名 2020 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 最終戦
第52回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿
開催日 [予選・レース1]2020年10月31日(土曜)天候:晴れ コース:ドライ
[決勝・レース2]2020年11月1日(日曜)天候:晴れ コース:ドライ
開催場所 三重県・鈴鹿サーキット(1周5.821km)
観客動員数 2万1500人(2日間合計)
ライダー JSB1000:加賀山就臣
ST1000:長谷川聖
マシン SUZUKI GSX-R1000R
予選結果 <JSB1000>
RACE 1:7番手(2分06秒124)
RACE 2:7番手(2分06秒471)

<ST1000>
15番手(2分11秒820)
決勝結果 <JSB1000>
RACE 1:8位
RACE 2:7位
シリーズランキング:10位

<ST1000>
15位
シリーズランキング:12位
8月に開幕し約3カ月の間に全5戦で行われた2020年シーズンの全日本ロードレース選手権。第2戦岡山が台風で中止となったため実質4戦での短期集中のシーズンとなりました。

今シーズンは、加賀山がチームに戻り、スズキGSX-R1000Rとブリヂストンタイヤへの合わせ込みが思うように進まず、開幕戦SUGOではウエットの中、転倒し負傷。さらにオートポリスでは、メインカーが廃車になってしまうアクシデントもあり、流れはよくありませんでした。前戦のツインリンクもてぎから、加賀山の身体の回復と相まって、ようやくステップを踏める状況になってきていましたが、あっという間に迎えた最終戦となっていました。

今回も木曜日の特別スポーツ走行からレースウイークが始まりました。鈴鹿を走るのは、3月下旬のテスト以来でしたが、マシンも仕様も変わっていただけに一からのスタートとなっていました。風は強かったものの天候が安定していたこともあり、順調にセットアップが進み、すぐに2分07秒台に入れると、アベレージでも同じようなタイムで走れるようになってきていました。

一方、9月のオートポリスラウンド以来の走行になる長谷川聖は、走り始めから大苦戦。スペインでMoto3™マシンに乗ったこともあり、1000ccへの乗り換えが、うまく行かず、なかなかタイムを縮められることができていませんでした。

公式予選では、2度赤旗中断がある中、セッション序盤のアタックで2分06秒471をマークし、いい手応えを感じていました。そしてセッション再開後にアタックに入ると自己ベストを更新する2分06秒124までタイムを縮めて予選を終えます。ポジションは、両レースとも7番手グリッドからスタートすることになっていました。ST1000クラスの長谷川も、加賀山のアドバイスが効き、ようやく覚醒。2分11秒820までタイムを縮め32台中15番手につけました。

土曜日に行われたJSB1000クラスのレース1は、14周で争われました。加賀山は、いつものロケットスタートは決められませんでしたが6番手で1コーナーに進入。オープニングラップの混戦を経て、水野選手と5番手争いを繰り広げます。序盤は、2分06秒台から2分07秒台で周回。6周目に渡辺一馬選手にかわされると、徐々に遅れを取ってしまいます。残り2周を切った13周目に追い上げて来たライダーにかわされ8番手に下がります。最終ラップに抜き返そうとチャンスを伺いますが、背後には、もう一人のライダーが迫ってきていました。前のライダーをかわすことは、できませんでしたが後続を何とか抑え8位でゴールしました。

そして今シーズン最後となるレース2は16周で行われました。加賀山は、レース1に続きホンダ勢とバトルを展開。3台による5番手争いを繰り広げます。この集団のトップに出てゴールしようと勝負ポイントを探って行きましたが、残り5周辺りから電気系トラブルが出てしまいペースを上げられなくなってしまいます。それでも何とかポジションをキープし7位でチェッカーフラッグを受けました。

11周で争われたST1000クラス。長谷川は、スタートでポジションを上げ一時は12番手を走っていました。ラップタイムも2分11秒809と予選タイムを上回るペースで走っていましたが、4周目に14番手に下がります。レース終盤には、伊藤和輝選手とバトルを繰り広げ残り2周というところで、かわされてしまいます。さらに最終ラップには、ジャンプスタートから追い上げて来た高橋裕紀選手が背後に迫ってきますが、何とか0秒475前でゴールしました。

加賀山 就臣 ライダー コメント

前戦ではマシントラブルが続いたのですが、今回はそれもなく、天候もよかったので順調に進み、公式予選では自己ベストを更新することができました。ただ周りも速くなってきているのでポジションは大きく変わりませんでしたが、いいフィーリングでレースを戦うことができました。レース2では、終盤に電気系トラブルが出てしまい、最後に勝負ができなかったのは悔しかったですね。短く厳しいシーズンでしたが、最終戦を無事終えることができたのも、応援していただいているスポンサー、ファンの皆さん、チームスタッフの支えがあったからこそです。本当にありがとうございました。
長谷川 聖 ライダー コメント

鈴鹿は3月に走っていて、その時点で2分11秒台まで出ていましたが、今回は完全にふりだしに戻ってしまっていました。そこから加賀山さんにアドバイスをいただきながら何とか予選で2分11秒台まで戻すことが出来ました。本来なら初日に、そのスピードで走りたかったのですが、まだまだライディング面でも、タイヤの使い方やマシンセットなど1000ccのことを分かっていませんでした。今年は、J-GP3クラスからステップアップするチャンスをいただき、レーシングライダーとして大きなチャレンジでした。この経験を糧に来シーズンはもっと成長したいと思っていますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
斉藤 雅彦 監督 コメント

木曜日から安定していいタイムで走ることができていましたが、レースに向けてアベレージタイムを上げることが課題でした。特にレース終盤にタイムをキープできるように試行錯誤しましたが、レース1は、うまくいかず、レース2ではアジャストしたものの、違う問題が出てしまいライダーに申し訳なかったですね。長谷川は、本来の状態に戻るのに予選まで使ってしまったのが、勿体無かったですね。コロナ禍の中、難しいシーズンになりましたが、皆さんの応援のおかげで最終戦を無事終えることができました。ありがとうございました。

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