全日本ロードレース選手権第3戦が9月19日（土）・20日（日）に大分県・オートポリスで開催されました。第2戦岡山ラウンドは台風10号の接近で中止となったため今回が実質2戦目となります。

今大会は事前テストがなく、土曜日の午前中に特別走行枠が30分（ST1000クラスは25分）設けられました。しかし、レースウィーク初日の金曜日、豪雨と濃霧のため全セッションがキャンセル。J-GP3クラスから1000ccを走ることになった長谷川、今年からブリヂストンタイヤにスイッチしたマシンのオートポリスのデータを持ち合わせていないチームにとって走行時間が無くなるのは大きな痛手です。

金曜日が中止となったため、土曜日の午前中の走行がART合同走行となり各クラスともセッションは5分延長されました。前戦SUGOの転倒で右鎖骨を骨折した加賀山は完治していない状態で走行を続けます。セットを確認しながら18周を周回して1分51秒353のベストタイムで9番手につけます。1000ccで初めてオートポリスを走る長谷川は精力的に走り込みます。

お昼過ぎに行われた公式予選。JSB1000クラスは今回も2レース制のため、ベストタイムがレース1のグリッド、セカンドタイムがレース2のグリッドになります。限られた時間の中で、できる事を最大限に行いながら臨んだ加賀山はレース1、レース2とも9番グリッドを獲得。長谷川は午前中よりも約2秒タイムを詰めますが16番グリッドとなりました。

そして土曜日の16時5分、JSB1000クラスレース1が行われました。スタートに定評のある加賀山は9番グリッドから一気にポジションを上げ、オープニングラップを5番手で戻ってきます。3周目には1分50秒405のベストタイムをマークして序盤は上位をキープしますが、レース中盤から右肩の痛みが出てきてしまいペースを上げられなくなってしまいます。何とか完走を目指して走っていましたが、14周目の3コーナー手前でマシントラブルが発生。加賀山は危険回避のためバイクから飛び降りたものの大きなケガはありませんでしたが、後続の2台を巻き込んでしまいレースは中断。12周終了時で、そのままレース成立となってしまいます。

日曜日も快晴となったオートポリス。ST1000クラスの長谷川は、16番グリッドからスタートし、ひとつポジションを上げて15番手で戻ってきますが集団に飲み込まれてしまいなかなか抜け出せません。それでも10周目に予選タイムを上回る1分53秒994のベストタイムをマークしてポジションを上げ14位でフィニッシュしました。

加賀山は、前日のクラッシュでマシンが大破したためスペアマシンでレース2に臨みますが、ほぼぶっつけ本番での走行となります。ベストタイムもレース1より約1秒遅くなってしまい順位を上げられません。それに加えて前日のクラッシュで首にムチ打ちを負ったため首を上げる事ができず完走を目指すことで精一杯となっていました。

今大会は不本意な結果となりましたが、次戦ツインリンクもてぎまでには加賀山の身体を完治させ、マシンのセットアップも詰めて更なる上を目指したいと思います。引き続きご声援のほど、何卒宜しくお願い致します。

加賀山 就臣 ライダー コメント

第2戦岡山が台風10号の影響で中止となりケガの回復に充てられたことは自分的にはよかったと思います。まだ完治はしていませんがなんとかバイクに乗れる状態にはなりオートポリス入りしました。ブリヂストンタイヤと車体とのベースセットを進めたかったのですが金曜日のセッションが全て中止。レース1ではスタートは決まりましたが周回を重ねるうちに肩が痛み出し完走を目指していたのですがラスト2周でエンジンブローを起こしてしまい、自分は危険回避のためにマシンから飛び降りて大事には至りませんでしたが自分の撒いたオイルに乗ってしまった秋吉選手と黒木選手に申し訳ない気持ちです。マシンのダメージがありレース2はスペアマシンで走りましたが、ペースを上げられず、さらにレース1の転倒によるムチ打ちの症状が首に出てきてしまい、身体の痛みと相談しながら完走を目指す走りとなってしまいました。次戦もてぎまでは約1カ月あるので、まずは身体をしっかりと治して、バイクも修正してさらに上位を目指せるようにアジャストしたいと思っています。

長谷川 聖 ライダー コメント

まだまだ1000ccを乗りこなせていません。バイクの走らせ方、ブレーキのかけ方、タイヤの使い方、など理解しているつもりですが身体がうまく反応していません。さらに小排気量の乗り方が抜けずアクセルの開け方が雑になっている部分もありますが、それが反面、自分の武器になるとも思っています。コーナーへのブレーキングの突っ込みは小排気量で培ってきたものなので、もっと走り込んで自分の武器として活かせるようにしたいです。今回のレースも上位を目指していたのですが集団に埋もれてしまい抜け出せませんでしたが、いろいろなライダーの走りを見て発見も多かったです。次戦もてぎも事前テストがないのですが、木曜から走行があるので、イメージトレーニングとフィジカルトレーニングを積んで臨みます。

斉藤 雅彦 監督 コメント

事前テストもなかったので金曜日の走行で詰めようと思っていたのですが悪天候で2回とも中止となり目論見が思い切り外れてしまいました。長谷川に関しては1000ccで初めて走るサーキット。決勝レースに向けて少しずつアジャストしていったのですが間に合いませんでした。まだ1000ccバイクの乗り方に慣れていないですが、いろいろなライダーの走りを見て自分の走りに活かして欲しいと思います。加賀山は転倒でケガをしてしまったのが大きいです。まだまだブリヂストンタイヤのいいところを使い切るためのセットが詰まっていないのでマシンセットを進めたいのですが、テストの時間もありませんし、ケガによって100%の力を発揮できないのでもどかしさを感じます。次戦もてぎまでにケガを治してしっかりセットアップを詰めていきたいですね。