2017 FIM 世界耐久選手権 最終戦 Suzuka 8 hours レースレポート

レース名 2017 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)最終戦
“コカ・コーラ ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第40回大会
開催日 [公式練習] 2017年7月27日(木) 天候:曇り/コース:ドライ
[予選] 2017年7月28日(金) 天候:晴れ/コース:ドライ
[TOP10トライアル] 2017年7月29日(土) 天候:晴れ/コース:ドライ
[決勝]2017年7月30日(日) 天候:曇り/コース:ドライ
開催場所 三重県・鈴鹿サーキット(1周5.821km)
観客動員数 12万8000人(4日間合計)
ライダー 加賀山就臣
ハフィス・シャーリン
浦本修充
マシン SUZUKI GSX-R1000 L7
結果 [公式練習] 9番手(ハフィス・シャーリン 2分09秒571)
[予選] 7番手(ハフィス・シャーリン 2分08秒553)
[TOP10トライアル] 9番手(ハフィス・シャーリン 2分08秒616)
[決勝] 17位/207周
Team KAGAYAMAとして5回目の鈴鹿8耐を迎えました。

2017年もチームオーナー兼エースライダーの加賀山就臣、Team KAGAYAMA所属の浦本修充に加え、新たに東南アジア最速ライダーであるマレーシアのハフィス・シャーリンを招集。再び表彰台に上がるべく、チーム一丸となって鈴鹿8耐のレースウイークに臨みました。

7月上旬に2度行われた合同テスト。最初の合同テストでは、ハフィスは参加できず、2回目のテストでは、ハフィスが初めて合流しましたが、浦本がCEV RFMEスペイン選手権へ参戦するため初日しか参加できず、3人そろったのは、この初日のみという状況でした。しかし、決勝を見据え、マシンを仕上げ、ハフィスには、初めて走らせるGSX-R1000、 初めて走る鈴鹿サーキットに慣れてもらうメニューをこなして行きました。その中でハフィスがチームベストをマーク。早くも現役Moto2™ライダーの実力を発揮し、チームの士気を高めてくれていました。

レースウィークは、例年通り木曜日の午後から走行がスタート。今年から予選は、3人(または2人)の平均タイムで争われることになり、誰か一人がタイムを出せばいいという状況ではなくなりました。タイヤ本数制限もあり、決勝で使うタイヤを考えると、限られた中で、どう予選を戦うかもポイントの一つとなりました。

■予選
公式予選は、それぞれのライダーに20分の走行が2回というスケジュールで行われました。この日は、気温も上がったことから、どのセッションで、それぞれベストタイムを狙うか、タイヤをどう使って行くかを組み立てながらのタイムアタックとなりました。

最初に行われたライダーブルー1回目のセッションでは加賀山が2分08秒901をマーク。ライダーイエローで出走したハフィスが2分09秒605。ライダーレッドの浦本が2分09秒349で1本目を終える。転倒も多く赤旗中断もあり、アタックラップが抹消されてしまうチームもありましたが、Team KAGAYAMAには大きな影響はなく、セッションが進んで行きました。そして2回目のセッションでは、ハフィスが2分08秒023とチームベストをマーク。浦本も2分08秒737に入れ、3人とも2分08秒台を記録。平均タイムは、2分08秒553となり7番手につけ、土曜日のトップ10トライアルに駒を進めました。

■TOP10トライアル
1周のタイムアタックで争われるTOP10トライアル。出走するのは2名。単純に予選で速いタイムを出したライダーで行く案もありましたが、やはり加賀山のチームということでハフィスと加賀山が走ることになりました。

TOP10トライアルを前に、全チームが出走する45分間のフリープラクティスがあり、ここで浦本がスプーンカーブ進入で転倒するアクシデントが発生してしまう。幸い浦本にケガはなく、再スタートしてピットに戻ることができた。マシンを修復し、ハフィスがコースインしたのは、残り15分ほど。加賀山は、フリープラクティスを走れないままTOP10トライアルに臨まなければならない状況となってしまっていました。

加賀山は、TOP10トライアルで使うタイヤも初めて履くものでしたが、ウォーミングアップで感触を確かめ、タイムアタックに入って行きます。セクター1・セクター2とアグレッシブなライディングを見せる加賀山でしたが、スプーンカーブ立ち上がりでダートに出てしまい一瞬ヒヤッとさせますが、それでも2分08秒968と好タイムをマーク。コースアウトがなければ2分07秒台も可能だったはずです。ハフィスは、2分08秒616と思ったよりもタイムは出せませんでしたが、初めてのTOP10トライアルをノーミスで終える辺りは、さすが。グリッドはハフィスのタイムで9番手となりました。

■決勝
日曜日は、朝からどんよりとした雲がサーキットを覆い、今にも雨が降ってきそうな天候でした。朝のウォームアップ走行では、パラパラと雨が降り、セッション後半は、雨となっていました。その後、雨はほぼ止み路面もドライとなりましたが、気温は、例年に比べれば上がらず日差しもない中で、9番グリッドから8時間のスタートが切られました。

スタートライダーは、鈴鹿8耐初参戦のハフィスが担当。1スティント目は、もっともハイスピードとなるため、チームで最速タイムをマークしていたハフィスが選ばれました。ル・マン式スタートも無難にこなし、オープニングラップは、5番手で戻って来ます。その後、5番手争いを繰り広げながら周回して行きますが、再び雨が西コース方面から降ってきます。西は雨、東ではドライという不安定なコンディションの中をスリックタイヤのまま走行を続けていました。

24周目にピットに入り、ハフィスから加賀山に交代。一時は、4番手までポジションを上げて行きます。5番手をキープしながら52周目にピットに入り、加賀山からハフィスに交代します。

序盤が勝負だとにらみ、ハフィスには、早めに2度目のスティントを担当してもらい5、6番手をキープしていました。その後、浦本が走り、順調に周回を進めます。ハフィスが3回目の走行に出て行ったときトラブルが発生します。電気系統のトラブルにより、ヘッドライトが点灯しなくなり、次のピットイン時に修復が必要となりました。この修復作業に時間を要してしまい、18番手までポジションを落としてしまいます。加賀山が追い上げをみせ、前車との差を確実に詰めるも、その後のピットワーク作業後、コースへ復帰しようとしたところで再びヘッドライトが点灯しなくなり、再修復の為マシンをピットに入れます。浦本が19番手でコースへ戻り、ハフィスへとバトンを繋ぐも、思うように追い上げができず17位でチェッカーフラッグを受ける結果となりました。

再び表彰台の獲得、初めての優勝を目標に掲げ挑んだ5度目の鈴鹿8耐は苦い経験となりましたが、新型GSX-R1000のマシンの理解をより深められた事を活かし全日本選手権後半戦につなげて参ります。そして、今後もTeam KAGAYAMAは挑戦を続けて参ります。最後となりましたが、今年も多くのスポンサー様にご支援ご声援を頂き、鈴鹿8時間耐久に参戦する事ができ、感謝するとともにお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。また、現地などで多くのファンの皆様からの応援も本当にありがとうございました。

加賀山 就臣 ライダー コメント

Team KAGAYAMA5度目の鈴鹿8耐が終わりました。結果は17位と決して満足行く結果ではありませんが、これもレース。応援してくださった皆さんのご期待に応えられず申し訳ありません。それでもライダー3人、メカニック、スタッフ、全員で戦った結果です。2年連続で表彰台に乗ることはできませんでしたが、今年の経験が、来年の鈴鹿8耐に必ず生きてきます。ニューGSX-R1000への理解度も進みましたし、まずは、すぐ目前に迫っている全日本もてぎ2&4レースに集中しようと思います。今年もご協力いただいたスポンサー、関係者、応援していただいた、すべての皆さん、ありがとうございました。また来年もチャレンジしますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
ハフィス・シャーリン ライダー コメント

初めての鈴鹿8耐、初めての1000cc、そして初めてのTeam KAGAYAMAと初めて尽くしでしたが、多くのことを経験することができました。鈴鹿サーキットは、奥が深いコースですが、走る度に詰めて行くことができましたしベストを尽くしました。鈴鹿8耐は、イベントとしても、すばらしいですし、同じアジア人として多くの人に知って欲しいですね。いい結果は残せませんでしたが、声をかけてくださったボス・加賀山さんを始め、チームの皆さんに感謝したいです。
浦本 修充 ライダー コメント

公式予選までは、いい流れで来ていたのですが、土曜日のフリー走行で転倒してしまいチームに迷惑をかけてしまいました。決勝でも思っていたよりもペースを上げられず、体力面でも課題が残りました。ハフィスの速さには、いい刺激をもらいましたし、まだまだ足りない部分が見えてきました。マシンのセットも大きく進んだので、この経験を全日本後半戦に生かして行きたいです。
斉藤雅彦監督 コメント

決勝途中までは順調に進められていたのですが、原因不明のトラブルが出てしまい時間をロスしてしまったことは残念でした。今年はマシンがフルモデルチェンジし、全日本の前半戦のときに比べればタイムは上がって来ていましたが、トラブルがなくても表彰台は難しかったと思います。今回、初めてハフィスを迎えましたがMoto2™ライダーは優秀でしたので、トラブルは申し訳なかったですね。今年は、さらに多くの方に協力していただき鈴鹿8耐を戦い抜くことができました。本当にありがとうございました。

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